男性目線でキャリアについて考えてみない?

「男性目線」のキャリアの考え方とは。簡単に纏めるとこういうことなんだろう。

「出産」という選択肢がゼロ。一生働くことを前提で人生を生きること。家族の大黒柱でいることがあたりまえ。

「出産」というテーマは女性であると常に考えることだと思う。男性の人生における「出産」の存在は大きく欠けている。

女性は「産める可能性がある体」で生まれ、「絶対に産めない体」の男性とは根本的に違うところがある。女性は「出産」にまつわる考えられないほどの葛藤を10代前半から抱えている。結果、それが自分自身を苦しめてしまったりキャリアやパートナー選択にネガティブな影響を及ぼしていることは事実として否定できないだろう。

「出産できる体」でいるためにすべきこと。妊娠しないように、されないように自分の体を守る対策とコミットメント。出産できる体かもわからない不安の中で過ごす日々。仕事はどうなるのか。流産の可能性と孤立。30代後半・40代を迎え、タイムリミットが押し寄せてくる恐怖。今まで築いていたキャリアがストップ。再スタートへの不安。パートナーとの距離感と関係の維持。

「産める可能性がある体」ってものはなんと美しく、罪なものだ。

一つ提案させて欲しい。この提案はかなり劇的であるかもしれないが、とりあえずトライしてほしい。5分間、目を閉じてみて。

「私が最初から産めない体だったら」。

自分は「産める可能性がある体」であるため「避けて通れない人生の試練」を背負っているという考えが生まれてしまう。男性は「出産」に対してほとんどが「子供がいつかできたらいいな」「子供も出会う女性次第かな」という程度だろう。その感覚で考えてみるのはどうだろう。

結局、産めるか産むかはその時にならないとわからない。わからないことに対して悩む気持ちも十分わかる。しかし、その悩みが自分の生産性や自分への教育・キャリア投資、将来のビジョンを抑えてしまうともったいない。出産に関しては、絶対悩む時がくる。その時は十分に悩むべきであり、その時はパートナーも一緒に悩みを抱え女性にのしかかる負担を分散するべきだ。ただ、その日がくるまでは男性のように「できたらいいな」「出会う男性次第」と考えてみたら心が軽くなるはず。選択肢が自分の目の前で広がる感覚を体感して欲しい。まずは目を閉じてトライしてみて。

もう一つ。この考えを持った上で、「一生働く」という男性の間では当たり前のコンセプトを考えてみるのはどうだろう。一生働くということは、定年までずっと働くことを指しているのではなく、家族を養うための安定収入と貯蓄を自分自身が確保し、「いつかやめる前提」で仕事をしないという考え方だ。

「結婚したら仕事をやめる」「子供ができたら仕事をパートにする」という考え方を抹殺。

男性は仕事に対しこのような考え方を持っているだろうか。真逆だろう。キャリアアップを求め、定期的に給料比較をし、成長性が高い業界選択を行い、ネットワーク構築に育む。キャリアを分断し社会から永遠に身を消す考えは皆無(全くこんなことを考えず終身雇用の恩恵を受けてゆるく仕事する男性も多いだろうが)。男性目線のキャリアは自分の市場価値を常に意識しているライフスタイルだ。

「一生働く、稼ぐ」という意気込みがあれば仮に仕事をストップする必要があったとしても次に再開する意欲を維持できる。その理由は明確:それまでに自分への投資を行なってきたから。辞めてしまうと機会コストが発生する。教育、業界選択、給料交渉、ネットワーク構築に今まで頑張ってきた自分。そんな簡単に会社や事業を辞めれるだろうか。ライバルが男性であることを前提に働けば低い給料で仕事を再開することに対して疑問を抱くことは普通のことだ。自分なりの意見と反発力を保てるし、場合によっては不利な雇用条件もリジェクトする力を持てる。「仕事は辞める前提」の考え方からシフトアウトし、自分の価値を男性比較対象で考えてみては。

また、大黒柱が男性でいることが当たり前という考えに違和感がないか。日本では男性が家庭の大黒柱であることが普通である。家族を支えるのは男性、家庭を守るのは女性という暗黙の了解の構造だ。

この構造が正しいか正しくないかはここでは議論しない。ただ、男性目線でキャリアを考えた場合、この大黒柱プレッシャー(悪くいうと義務感、良くいうと責任感)は多くの既婚女性は感じていないだろう。「いつか誰かと結婚してその人の収入で生きていく」「パートナーの収入があったらなんとかいけるだろう」「離婚しても慰謝料で生きれる」「パートナーを立てるため自分は家にいておこう」この考えを一旦捨ててはどうか。

「自分自身を養う力を最初からつけてみる」という考えを持ってみると人生は楽しい。より自由に行動ができるし、金銭的な理由に縛られずにパートナー選択ができる。自由に好きな人を愛し、自分が一番満たされる形のリレーションシップを築ける。大黒柱という古い表現になるが、「自分しかいない」というプレッシャーが常に存在する崖っぷちの人生が人生の醍醐味なのではないか。

女性全てがこのマインドで教育を受け、新卒の会社を選び、その後のキャリアを積み、パートナー選択や出産の判断をしたら世界がどう変わるだろう。

もちろん、出産や女性に対する差別は男性目線にシフトしたところで無くなるものではない。ただ、女性目線だけでものごとを考える必要はないということを伝えたい。出産、大黒柱は夫という期待値を自分の重しにするのではなく、より自由な、自分がコントロールできる選択があるということを覚えておいてほしい。大黒柱になり自分や家族を支えるかという選択肢も結局自分自身が決めれるべき。最初からその選択肢を自分から奪わないで。

「男性目線」でキャリアを考えるということは、まずは「女性目線」の固定概念に自ら背を向けること。女性だからこうであるべきという考えを捨て、自分が決めた方向へ突っ走っていくということ。マインドを少しシフトするだけで絶対的に変わる。なぜなら、あなたは自分を変えることができる人間だから。