日経記事に対してのオピニオン:世代別でみる女性のキャリアアップとは?

日経新聞を読んでいると、Women’sトレンドというセクションがあるので毎回チェックしている。

先日コメントすべき!と思ったデータと分析があったので今回はそれについて話したいと思う。4月26日の記事である。この記事は働く日本の男女800人を対象に実施した「キャリアアップ」に関する調査のまとめと分析である。まず最初気になったのはこの部分。下記引用する:

「働き盛りの30代、40代に「キャリアアップのために必要なサポート」をたずねたところ、男性は「技術的なスキル開発」(30.9%)が最も多かった。女性は「ボーナス、育休などのより良い福利厚生制度の充実」(41.5%)がトップだった。女性はワークライフバランスの充実を求めていることがわかる」

出典:女性「賞与・福利厚生」求める

これを読んでまず最初に思ったのが「また’女性がワークライフバランスの充実を求めてる’系の話か・・・」。その次に思ったのは、そもそもこの調査は年齢別で判断しているが、追加で年収別で分析した場合は同じ答えだっただろうか、という点である。G7の中で日本の男女間賃金格差は最も高く、2017年時点で25%である。また日本での非正社員比率は男性の23%に比べ、女性の場合は53%を超えることが2019年「労働力調査」で発表されている。女性は男性より稼いでない。だから「ボーナス、福利厚生の充実」を求めるのは当たり前だ。

女性が求めているのはこの記事にある「ワークライフバランス」の充実ではない。

「ボーナス、福利厚生制度の充実」と明確にある。この記事はそれを無視してなぜかワークライフバランスというもう普段使われすぎている口実で抹消している。自分の功績が待遇で評価されていないのであれば男性が挙げた「技術的なスキル開発」なんてどころではないだろう。とりあえず稼がないと。

では、女性が男性と同じ水準で給料を払われていた場合はどうだろう。仮説しかないが、おそらく男性と似たような答えで自分自身の生産性を高めるサポートを求めるのでないだろうか。

次に、若い世代でみてみるとこれは納得できる結果だ。

キャリアアップのチャンスがあると思っているかという質問に対しては、「働き始めて間もない20代でみると、男性が57%だった一方で女性は40%にとどまっていた。早い段階からキャリアアップのチャンスを感じていないことがわかる」と同じ記事にある。全く満足していないが、これが今の現実なんだと受け止めることにした。アベノミクス対策が全く若い世代に響いていないという結果。女性管理職を増やすだったり育児サポートなど色々対策は打ち出されているが結局若い世代の女性がそれを信じないと意味がない。若い世代からこの考えだとさらに問題は深刻化している。

最後に、この記事は重要な調査結果を無視していたと自分は感じる。

記事に添付されているグラフを見ると、40代、50代に関しては男性より女性の方がキャリアアップのチャンスがあると感じている割合が高いことが伺える。これは結構面白いデータではないか。賃金が低いからキャリアアップの可能性もあると考えているのか、もしくは自分のスキルが過小評価されているためまだ次の道が見えているのか。男性がチャンスを感じていない中、逆の結果。40、50代の女性達の声を忘れないで欲しい。男性が逆にキャリアアップができると思っていない中なので、労働不足もあり手を挙げればチャンスはあるのではないか。

そのチャンスと意欲にプラスして企業が公平な賃金と福利厚生を提供するというソリューションを打ち出すことが不可欠である。

若い世代にも響く政策と結果をもたらすことが今早急に求められている。