Career

安定したキャリアってなんだろう

小学校の卒業式の壇上、「大きくなったら国家公務員になりたいです」と言ったことをよく覚えている。他の子が保育園の先生になりたいとか、サッカー選手になりたいとか、小学生らしい宣言をするそばで、だ。 その後校長先生に、国家公務員って言ってもいろいろあるけどどんなことがしたいの、と聞かれて、「よくわからないけど安定した収入があればなんでもいいです」と答えた。 なりたいものなんて特になかったから、万年係長の地方公務員だった父と、地方出身で安定志向な主婦の母に、言われたとおりのことを口走ったんだろうと思う。 それなのに。 今、安定とは3万光年くらいかけ離れたフリーランスの仕事をしている。明日、来週、来月、今と同じ仕事をしているかどうか、さっぱりわからない。そもそも、仕事があるかどうかすらわからない。 しかも「そうだ、フリーランスになろう」と一念発起してなったわけでもなんでもない。自分のしている仕事の幅が広すぎて理解してもらうのが難しいので、職業はフリーランスですと言っているだけである。こんなに便利な職業名があって、本当に助かった。 ここ最近は、多くの人の活動や発信のおかげで、「フリーランス」という職業はとてもイメージアップしている気がする。WeWorkみたいなおしゃれなシェアオフィスで、赤ちゃんを片膝にのせながら、りんごマークのラップトップをカタカタしている感じ(当社イメージ) でも実際は、残念ながら大分違う。 おしゃれなオフィスにいる時もあるけれど、それはクライアントの素敵なオープンスペースに居座っている時。りんごマークのラップトップの日もあるけども、それはクライアント支給品で確実に私のものではない。片膝に乗るようなかわいい赤ちゃんはもういなくて、実際は「お母さんiPadやらせて〜」と3歳児が背後でエンドレスにごねている。 例え、素敵オフィスにりんごマークのラップトップな日があったとしても、そんな日は続かない。契約期間がいずれも短いので、違うクライアントの元を転々とするのが常なのだ。今までの人生で同じオフィスに通った経験は、最長でも2年。6年間通った小学校の校舎の方がよっぽど思い入れがある。 こんなふうに、今の私は安定とは程遠いことを収入源として生きている。 でも逆に言えば、そんなとてつもなく不安定なことをしても、生きていける程の収入にはなっているのである。(念の為言っておくと、夫も私と同じことをして食べているので、彼に頼っていれば私は何をしていても良いというわけでもない) 一方で、極めて安定しているものもある。 それは自分の勤務時間と家族の生活リズムだ。こちらはシアトルで仕事を始めた6年前から、ほぼ変わりない。 毎日9時ごろにラップトップを開いて、メールとスケジュールに一通り目を通したら、9時半くらいからカンファレンスコールの波が始まる。正午から1時までは、ランチ時間と称した自由時間を切り取って確保してあって、その時間に遠くの知人とZoomでキャッチアップしたり、散歩がてらランチを買いに出かけたり、気分転換に洗濯物を回したりする。 どんなに遅くても5時半くらいには店じまいをして、適当に夕飯をこしらえる。家族で夕食を食べたら、その後近所のジェラート屋さんまで散歩に出かけたり、家から徒歩3分の湖にプカプカ浮かびに行ったり。7時にちび達をお風呂に入れて、ごろごろしながら本を読んで、9時に消灯。私はその後、シャワーを浴びて、遅くても11時には寝ている。 フリーランスという形態になってからは、毎日どこか決まったところに通勤するということもあまりない。コロナウイルスが広まった今、これは相当先まで変わることはないだろうと思う。そんなわけで私の通勤路は、大抵ベッドルームからリビングルームまでの5歩だ。 そりゃもちろん大変なことだってあるけども、毎日が比較的ストレスの少ないとても平穏な日々である。 国家公務員にはならなかったけど、安定した生活って、割とこういうことなんじゃないだろうか。勤務先がつぶれても、リストラにあっても、したたかに食べて、楽しく生きていくスキルとネットワークを身につけて、娘は大きくなりましたよ。ね、お父さん、お母さん、そして校長先生。

Let’s Talk About Money

Money is such a taboo topic. You don’t typically walk up to a stranger and ask, “hi- how much do you make?” Nor have I ever had someone ask me that either. But with such stark gender wage gaps across the globe, for example women earning 79 cents to every dollar a man earns in the US, shouldn’t we be discussing money more often?  The general reason we don’t talk about money is because… It’s awkward. It’s uncomfortable.It’s rude.  Aren’t all those concepts social constructs anyway? Money in its most literal definition is just a piece of paper or numbers on a ledger. Don’t get me wrong. I’m not saying money […]

会社を辞める前に考えるべきこと

だいたい、社会人3年目頃になると、「転職」を考え始める人が増えてくる。

それはなぜ?

  • 新人時代と比べ、学びのカーブが鈍化してきた。
  • 業務内容が良くも悪くもマンネリ化してきた。
  • 会社人間関係が面倒になってきた。
  • 社内評価が自分の納得するものではないと感じている。

ハーバード・ビジネス・レビュー記事のオピニオン:女性にも良いポリシーは男性にとっても良いポリシー

今回の記事は“What’s Really Holding Women Back”(女性をキャリアから引き留めている本当の理由)? というタイトル。 このトピックに関しては数々のメディアで取り上げられているため最初パッとしなかったが、自信ありげのタイトルだったので読んで見た。この記事は、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)が某コンサルティング会社からの依頼で女性の数多くが昇進できない状況についての調査依頼を受け、その結果をまとめた記事である。 この記事が指摘するのは「長時間労働」というこの会社のカルチャーが女性に不公平に重くのしかかっているという現実。長時間労働の考え方、長時間労働の評価基準をなくすことで現実が大きく変わるのではと推測している。 男性は長時間労働に対してもちろん納得はしていないが、「仕方がない」として受け止めているようだ。なぜなら「長時間労働」を耐え、どのような状況でも働き続けるということが男性として当たり前というマインドセットになっているから。自分の上司もそうやって昇進したことや、仕事のアウトプットも長時間働けば働くほど「増える」という考えを持っているから(アウトプットの質はどうかとして)。「長時間労働」に耐えることが評価と昇進に繋がることが「あたりまえ」となっている。 一方、女性は「長時間労働」が自分や周りにとってベストではないという現実をリアルに受け止めている。その解決方法として自分が長時間労働に参加しないという選択をする。この習慣はこの何百年にも続いてきた「女性が家庭を守る」というアイデアに基づいていると考える。男性は「家族を養い、稼ぐ」という責任感で「辞める」という選択肢については考えもしないだろう。女性の場合は違う。周りからの目線、体への影響、自分の子供からの評価や罪悪感。女性の「あたりまえ」が働くことでなく「家庭を守る」基準軸があるからこそ、「長時間労働」を簡単に受け入れることはできない。 「長時間労働」が会社のパフォーマンス評価から消えるとどうなるのか。そもそも長時間労働は生産性を高めるわけではない。「同じ給料でアウトプットを最大化させる」という間違った考え方からマインドセットを変える必要がある。 近年、多くの企業特にスタートアップなどは「長時間労働」というカルチャーから抜け出そうとしている。個人の生産性を高めるテクノロジーも普及する中、「このポリシーは男性向け、これは女性向け」ではなく、個人を大切にするカルチャーを促進してみることを提案したい。そうすると、男性も無理に長時間労働の闇の中で一生を過ごす必要もないし、女性も罪悪感をもって辞める必要もない。 仕事のアウトプットで評価される会社のカルチャーは、男性も女性にも愛される会社ではないか。女性にも良いポリシーは男性にとっても良いポリシー。もっとこのメッセージを広めていきたい。

チャレンジしてみないと「もったいない」・It’s a Waste if You Don’t Try

After I got my masters from Oxford University, one recruiter told me it would be a “waste” if I didn’t join a large Japanese investment bank. My first job was in corporate advertising then I worked in Japan on the JET Program and traveled in between so was a bit older by the time I graduated with my masters. I was 27 years old then. The recruiter asked for my age and reminded me, “I still have time” before he painted a picture of the pristine corporate path of progress I should practice.   If I don’t join now, it would be 「もったいない」(“a waste”). もったいない? At first, fear, panic, and pressure […]

日経記事に対してのオピニオン:世代別でみる女性のキャリアアップとは?

日経新聞を読んでいると、Women’sトレンドというセクションがあるので毎回チェックしている。 先日コメントすべき!と思ったデータと分析があったので今回はそれについて話したいと思う。4月26日の記事である。この記事は働く日本の男女800人を対象に実施した「キャリアアップ」に関する調査のまとめと分析である。まず最初気になったのはこの部分。下記引用する: 「働き盛りの30代、40代に「キャリアアップのために必要なサポート」をたずねたところ、男性は「技術的なスキル開発」(30.9%)が最も多かった。女性は「ボーナス、育休などのより良い福利厚生制度の充実」(41.5%)がトップだった。女性はワークライフバランスの充実を求めていることがわかる」 出典:女性「賞与・福利厚生」求める これを読んでまず最初に思ったのが「また’女性がワークライフバランスの充実を求めてる’系の話か・・・」。その次に思ったのは、そもそもこの調査は年齢別で判断しているが、追加で年収別で分析した場合は同じ答えだっただろうか、という点である。G7の中で日本の男女間賃金格差は最も高く、2017年時点で25%である。また日本での非正社員比率は男性の23%に比べ、女性の場合は53%を超えることが2019年「労働力調査」で発表されている。女性は男性より稼いでない。だから「ボーナス、福利厚生の充実」を求めるのは当たり前だ。 女性が求めているのはこの記事にある「ワークライフバランス」の充実ではない。 「ボーナス、福利厚生制度の充実」と明確にある。この記事はそれを無視してなぜかワークライフバランスというもう普段使われすぎている口実で抹消している。自分の功績が待遇で評価されていないのであれば男性が挙げた「技術的なスキル開発」なんてどころではないだろう。とりあえず稼がないと。 では、女性が男性と同じ水準で給料を払われていた場合はどうだろう。仮説しかないが、おそらく男性と似たような答えで自分自身の生産性を高めるサポートを求めるのでないだろうか。 次に、若い世代でみてみるとこれは納得できる結果だ。 キャリアアップのチャンスがあると思っているかという質問に対しては、「働き始めて間もない20代でみると、男性が57%だった一方で女性は40%にとどまっていた。早い段階からキャリアアップのチャンスを感じていないことがわかる」と同じ記事にある。全く満足していないが、これが今の現実なんだと受け止めることにした。アベノミクス対策が全く若い世代に響いていないという結果。女性管理職を増やすだったり育児サポートなど色々対策は打ち出されているが結局若い世代の女性がそれを信じないと意味がない。若い世代からこの考えだとさらに問題は深刻化している。 最後に、この記事は重要な調査結果を無視していたと自分は感じる。 記事に添付されているグラフを見ると、40代、50代に関しては男性より女性の方がキャリアアップのチャンスがあると感じている割合が高いことが伺える。これは結構面白いデータではないか。賃金が低いからキャリアアップの可能性もあると考えているのか、もしくは自分のスキルが過小評価されているためまだ次の道が見えているのか。男性がチャンスを感じていない中、逆の結果。40、50代の女性達の声を忘れないで欲しい。男性が逆にキャリアアップができると思っていない中なので、労働不足もあり手を挙げればチャンスはあるのではないか。 そのチャンスと意欲にプラスして企業が公平な賃金と福利厚生を提供するというソリューションを打ち出すことが不可欠である。 若い世代にも響く政策と結果をもたらすことが今早急に求められている。

投資銀行のファーストキャリア、悔いなし

今思うと宇宙人みたいな生活だった。 何かに乗っ取られたかのようにがむしゃらに働いたことしか覚えていない。毎朝7時までに出社し8時までにクライアント向けのデイリーレポートを執筆。その後は資料作成、ミーティング、データ分析であっという間に時間が過ぎ、夜20時ごろに一息つけるくらい。一息ついたあとは欧米チームをチェース。大抵家に戻るのは朝2時か3時ごろ。深夜前に帰るのは「早退」だった。それを毎日繰り返した。数兆円単位の案件中は土日もほぼ同じスケジュールだった。 投資銀行で過ごした5年間のプライベートがどうだったかとかはあまり覚えていない。特に、日本で過ごした最初の3年間の記憶はない。なぜかというと3年間のほとんど会社で過ごしたからだ。 恋愛なんて皆無。 もちろん、今になってから言えることがほとんど。5年目に辞めた時は本当に解放された気分でやりたいことをやった。何をやったかについてはこのエントリーで話している。 ただ、このタイトルにもある通り、「投資銀行のファーストキャリア、悔いなし」。 3つ理由がある。 まず、この宇宙人生活は私だけではなかったということ。自分が所属していた投資銀行は他に10人の同期がいる。社内では150名近く同期がいたらしいが、投資銀行部門は別扱い。相当の宇宙人でないと内定をもらえないし、続かない。よって、自分が全く悔いがない理由は自分のこの同期との出会いだ。私は海外の大学を卒業したため日本の大学を卒業した同期とは数ヶ月の遅れでひとりぼっちで入社した。その頃の自分の日本語はかなり「やばかった」らしく、変な日本語しか喋れないこんな私に対して同期は全てを教えてくれた。 アフターファイブや週末の時間を確保することが難しかったため、違い自分たちのスケジュールをある程度把握していた。夜中にやっと仕事が終わって「今Maduroにのみに行ける人!」と声を掛けると数人いつも一緒に行ってくれた。誕生日になると別の会議室に夜21時ごろにみんなで集まりささやかな祝いで仕事の愚痴含めキャッチアップできた。 私も含め、ほとんどの同期はもう会社を辞めている。金融関連もいれば、全く違う事業会社やスタートアップ関連の仕事をしている。今でも頻繁に連絡をとっている。別の会社に就職していたらそれはそれで別の同期に会っていたんだろう。それはそれで全くどうなったかわらかない。 唯一言えることは、私がこの同期グループに会えたことは自分の一生の財産であるということ。 二つ目の理由。それは、かなりエキストリームな宇宙人として働いていたせいか、周りからの信頼感は得れたということ。あのスケジュールの中自慢でもないが(自慢か)一回も遅刻をしなかった。がむしゃらに働いていていた分、「あのゴールドマンで5年間生き延びた」という、「頑張ったで賞」みたいなレピュテーションは築くことができた。 普通に考えるとあれくらいの業務をこなした若手だと、今後もある程度のことは任せれるだろうという安心感が生まれるのかもしれない。大規模の会社に属するメリットとしては、そのレピュテーションがかなり広いネットワークに広がるということ。特に投資銀行出身者は社会の幅広いエコシステムで活躍ができる。となると、投資銀行のキャリアを終えたあとでもそのネットワークが繋がり、〇〇さんが転職して〇〇のCFOになった、など。あの数年間の頑張りが今も自分の仕事に恩恵を与えてくれていることは間違いない。やはり、人のネットワークと自分のレピュテーション作りはかなり重要だと毎回思わされる。 3つ目の理由。それはお金の自由を手に入れ、「やりたい放題」をやってみたこと。最終的に働いていた時間を換算し時給を算出してみると投資銀行での仕事での報酬、特に最初の3年までは「一般のサラリーマン」とかわらない。だが、年間で稼げた絶対額は「一般のサラリーマン」の数倍だった。同じ1年間で稼げる報酬が多ければ多いほど、あたりまえだが資産を築いていくことができる。同時に、支出も同年代の社会人と比べ多かった。会社のそばの麻布十番のアパートは15万円したし、会社ビルにはいっていたエストネーションでは一回に数十万の買い物をしたりとストレス買いを何回もした。同期でレストランに行くと普通に一人1万円は楽に超えるグルメを堪能していた。 収入と支出を「やりたい放題できた」という達成感。それを得られたことはとても自分の人生の中で重要な学びとなった。今となっては考えられないほどの支出だったがあの経験がなければ自分はどこかで満足してなかったと思う。それで永遠にその生活を羨ましいと思い嫉妬感覚も覚えてしまってたかもしれない。 今は全くその欲望はない。なぜなら、過去に経験済みだから。ブランド品も欲しければ買うが、毎シーズン新しい物を買う必要なんて全くない。グルメも引き続き大好きだが同時に600円のランチに感動したり節約を楽しんでいる。 「お金の自由」は永遠ではない。管理しないとどこかで使い切ってしまうことになる。それを社会人2、3年目の教訓として得れたことに感謝。 投資銀行がファーストキャリアだったことに悔いがないのも、全て「結果オーライ」だったからという重要な事実がある。素晴らしい同期がいて、周りからも認められ、その分報酬をもらえても「悔いがない」と言えない人も少なくはない。 ただ、唯一振り返って思えることは、自分が選択した道を常に「学び場」といて考えれるマインドを持つことって重要ということ。 「悔いない」と断言できるのも、今があってこそ。結局、仲間と学びとクレイジーがある人生が一番醍醐味があってスパイシーな人生ではないかと思う。

What’s Wrong with “You Will Be Successful If You Don’t Quit”?

I have an experience that I have not shared with many but it seems more relevant than ever that I do that now. Three years after graduating from college and as a newly promoted Associate at an investment bank, I was finally working in New York City. It was my dream to work in The City and specifically at “Wall Street” because if you are in finance, this was the place to be, the mecca of all things MONEY. It was almost like an assurance that I had done a good enough job to be granted the transfer to my dream city. I was confident. I was often on highly […]

初めてのファーストクラスラウンジで起こった「事件」を振り返る・Reflecting on My First Experience at the First Class Lounge

私は今、アラスカ上空あたりでこのブログを書いている。東京に帰る途中の便である。 よく使っている航空会社のファーストクラスラウンジに初めて足を踏み入れた時の経験を思い出す。この話は以前、私の親しい友人たちにも語ったけれど、今回読者の皆さんにもぜひ聞いてほしいと思う。 2015年から2016年にかけて、私は良く出張で飛行機に乗ることが多くその航空会社の最上位ステータスである「ダイヤモンド」と呼ばれるランクになった。ダイヤモンド会員になると、日本の主要空港であれば専用の部屋でチェックインができたり、いろいろ主張しなくてもアップグレードしてもらえたり、数百ドル相当のギフト券が手に入ったりと、何かと特典がある。特に私のように エコノミークラスしか乗らないような人で頻繁にあちこち出張に行く人にとってはなおさら。 他のビジネスクラスやスターアライアンスゴールドメンバーと呼ばれる人たちが使用するラウンジと、ファーストクラスに乗る人やダイヤモンド会員が使用できるラウンジは分かれており、そういうわけで私もファーストクラスの人が使用するラウンジを初めて体験することになった。​​この「エクスクルーシブ」なラウンジへの入り方は簡単で、レセプションでカードを渡すだけ(とっても誇らしげに)。それなのに、問題はそこで発生。 受付の女性が私に笑顔で挨拶をし(ここでは至れり尽くせり精神が旺盛でわざわざ自分の席へと紹介してくれるのだ)その時の言葉は本当に気まずかった。 「失礼ですが、奥様でしょうか?」 そう、私の前には中年くらいの男性がいたのだ。 もしかしてその男性に、私が近づきすぎていたのかもしれない。 でも夫婦のように会話しているわけでも、そういうそぶりを見せたわけでもないのに。 私のことを、「夫(ダイヤモンド会員のメンバー)に同行者としてそこにいるのだろう」と無意識で判断した彼女の「正直すぎる間違い」には悪意があったわけではない。それははっきりわかっている。 ただ、それにも関わらず、これは由々しき事態だと思うので、あえて言いたい。もちろんこの「事件」は私だけに起こった特別なことではなく、日々の彼女の経験から試算されたものなのだろう。彼女は普段から「女性は奥様であることが多い」「奥様は夫の同行者としてやってくることが多い」「本人がステータスを持っていることはあまりない」という事実をたくさん見ている。彼女が普段から「あなたはこの女性の旦那様ですか?」と聞いているシーンは、想像できるだろうか?たぶんできない。 この事件の後、私にははっきりと分かったことがある。 1.「エクスクルーシブ」エリア(ここではファーストクラスのラウンジ)に女性が一人でいることはとても珍しい。受付の女性はそれがわかっていたから、私のことを「夫の同行者」と精一杯のおもてなしの気持ちで推測したのだろう(でも違ったけど)。悲しいが、これが現実なのだ。この現実が終わるまでは、多くの「自分でこのステータスを勝ち取った」女性(同行者ではなく)がこのラウンジに訪れなくてはいけないのだ。 2.社会全体としては、女性が自分自身の力以外で特定の場所(ラウンジのようなエクスクルーシブな場所)にいると思い込んでしてしまわない気遣いが必要。(ラウンジはあくまでも一例で、要はそういう特権的だったり、業績で勝ち取る何か特定の場所ということ)もし女性がそういう場所にいるのなら、シンプルに彼女は自分の力でそこにいるのだと言うことが当たり前になるべきだ。 3.女性として、上記の1と2に関わらず、私たちはどこにでも(自分の力で)いられるのだと信じる必要がある。例えあなたがそこにいる唯一の女性だとしても、間違った風に見られたとしても、そこにいることを誇りに思おう 。「他の女性のための道づくり」というチャレンジも楽しんでみよう。 私はあなたにも起こった似たような事件についてももっと知りたいと思っている。こういうストーリーをもっと人に伝えてみよう。そうすることで、私たち女性がそういう場にいることが不自然じゃないということに気付けるはずだから。 I am writing this blog entry somewhere above Alaska. I am flying back to Tokyo now. I was reminded of my first experience stepping foot into the First Class Lounge of the airline I always fly with. I have told this story to a few of my closest friends in the past, and now I want to share this with my readers too – both due to its hilarity and deeper implicit bias placed on women. In 2015 and 2016, I flew a lot – so much that, despite only flying economy […]

全ての働く女性がGlass Cliff(ガラスの崖)の存在を知っておくべき理由

「ガラスの崖」と一言聞くと、滑り落ちそうで絶対行きたくない場所に聞こえる。私も初めてこの言葉を耳にした時「天井なんかよりも崖の方が断然怖いな」と思った。「ガラスの天井」を耳にすることは多い。女性のキャリアアップを拒む社会現象のことを示す、ジェンダーの話をするときによく引用されている。一方で、「ガラスの崖」の認知度はそこまで高くないだろう。個人的には、この比較的新しいコンセプトである「崖」は「天井」より今の時代を生き抜くキャリア志向の女性が認識しておくべきコンセプトだと考えている。なので、今回はこの「崖」について。 2018年現在において、Fortune500カンパニー(全米売上上位500社)の女性CEOは27名のみで、全体の5%にも満たない。これが「ガラスの天井」が存在することを裏付ける。一方で「ガラスの崖」は「ガラスの天井」の様に割合で示すことが困難、且つ複雑である。 「ガラスの崖」はイギリスの社会・組織心理学の教授ミシェル・ライアン氏らによって2004年に発表された。イギリスの上場企業を分析した結果、「女性がCEO・幹部ポジションやリーダーシップポジションに抜擢される場合、会社が危機や困難に直面している時の確率が男性より高い。結果、女性が抜擢された役割で失敗する確率が高くなる」という現象が見受けられたのである。女性がCEOを務める上場会社は「物言う投資家」の対象になり、解雇される確率が男性より高いという研究結果も出ている。しかしこの「崖」の因果関係についてはまだ全てが解明されていない。業績不振に陥った会社が事業再生のため今までとはまったく違うリーダーを必要とし、結果的に女性をCEOとして採用した可能性もある。あるいは、女性側の勉強不足が理由かもしれない。例えば抜擢された役割や会社について十分な下調べをせず与えられた役割に飛びついてしまうとか。原因はともかく、この「崖」の現象が存在すること自体、女性プロフェッショナルとして知っておくべきことだろう。重要なのはこの現象はCEOや幹部レベルの女性だけに言えることではないということ。CEOや幹部レベルでなくとも、新しい仕事を任せられることは日々あるだろう。異動を言い渡されたり新しい役割に抜擢される機会は社会人をやっている限り全く無い話ではない。今後、そのような事が貴方の身に起きた時に、この「ガラスの崖」について思い出して欲しい。そして、その時に自問自答して欲しい: なぜ、自分が選ばれたのか。自分のどの能力やスキルが評価されたのか。 誰が自分のスポンサー(社内で推薦してくれた上司)だったのか。引き受けた場合、周りにサポートしてくれる人はチームはいるか。 他に誰が候補として挙がっていたのか。自分は他の人が引き受けたくない役割を押し付けられてないか。 この役割・タスクを無事終えた先には何があるのか。それは自分が描いている将来のビジョンにマッチするか。 勿論、与えられた機会にはオープン・マインドで挑んで欲しい。自分の能力を信じて欲しい。困難な状況を引き受けるチャレンジ精神は絶対に失って欲しくない。 「ガラスの崖」を経験している女性は少なくはない。周りにも沢山いるだろう。 難しいクライアントチームのリーダーに抜擢された時、多忙期に社内イベントの幹事に選ばれた時、リスクが高い新規事業立ち上げの話が挙がった時。 重要なのは「ガラスの崖」がその先にあるかどうかではない。「ガラスの崖」が「ガラスの罠」であったとしても、失敗するかしないかなんてやってみないとわからないし、崖を恐れて新たなチャレンジに取り組まない方がリスクだと個人的には考える。 結局重要なのは、それを飛び越える自信と能力は自分にあるか、一緒に崖を飛び越えてくれるチームがいるか、万が一、崖にまっさかさまに落ちたとしてもよじ登る自分が見えるか。 私だからできる。私がやってみせる。その気持ちで挑んで欲しい。 P.S. 実際、「ガラスの崖」(Glass Cliff)を経験したエレン・パオ(Reddi社のt元CEO)やキャロル・バーツ(Yahoo元CEO)のインタビューがFREAKONOMICSラジオで聴けるので、時間があれば是非聴いて欲しい。